逢えなかった。

彼から言い出したのに
逢えなかった。

「30日の4時に卒論提出だからそのあと逢えるかな?」
って言ったのは彼。

逢いたくてでも徹夜明けで体調のよくない彼に
渋谷に来させるのも心配だったから
「横浜に逢いに行こうか?」とメールしたのは私。

約束の場所で
横浜駅西口の交番前で
待っていたのに
メールも電話もしても
彼は応えず来なかった。

久しぶりのスカートに
彼が1年前にプレゼントしてくれたブーツで
可愛いといってくれたダッフルコートで
待っていたのに。

19時から21時半まで
ずっとそこから動けずに待っていた。
その間、変な人から声をかけられるし寒いし
最後は惨めで逢えないの悔しくって寂しくて泣いていた。

帰りの電車は泣きながら寝てしまった。
諦めて家に帰ったら22時半だった。

そしてしばらくしたら
彼から自宅に電話がかかってきた。

うわずったような声で
明らかに動揺してる声だった。

どうも連日の徹夜ですっかり寝てしまっていたらしい。お母さんに「待たせてるんじゃないの?」って起こされて慌てて起きたと言っていた。

無理なら無理って言ってよ。
具合悪くなって何処かに倒れてるんじゃないかとか
そんなことまで考えた。

怖かった。
彼の傍にいられないんじゃないかって
すごく怖くて不安な時間を過ごした。

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